遠くで手を振る先輩 -その時私は固まったー

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内向型な人は基本的に大きな声を出すことや、大きなアクションをすることは苦手な傾向にあります。
私も苦手ですし、特に中学~高校時代はその傾向がより強かったように記憶しています。

今回はそんな私が大きな声とアクションを求められて固まってしまった、そんな中学時代のエピソードを綴ります。

今回のブログを通じ、私も同じようなことある、自分以外にも同じような人いるんだと共感や安心をしていただける方がいらっしゃれば嬉しいです。

先輩・後輩の概念が突然、日常に湧いて出た

皆さんは先輩・後輩という概念を明確に意識したのはいつ頃でしたか?
私は中学で部活に入った時に始めて先輩・後輩という概念を明確に意識しました。

小学生の頃は少年野球チームに所属していましたが、特別先輩・後輩といった意識をすることはありませんでした。練習や試合で6年生のお手伝いを下級生が行うということはありましたが、どちらかというとレギュラー選手の練習や試合のお手伝いをしているという感覚が強く、特に先輩に対してお手伝いをしているという意識はありませんでした。

また会話も多少丁寧語は使っていたかな?と思いますが、敬語をしっかりと使うといったこともなく、先輩というより同じチームの兄ちゃん達といった感覚が強かったと思います。

ところが、中学で部活に入部して状況は一変します。
2年生、3年生は明確に「先輩」であり、挨拶をし、敬語で話をし、何かあれば下級生が率先してお手伝いをする対象となりました。

今まで無かった先輩・後輩という概念が中学入学とともに日常に湧いて出てきた、私の感覚ではこういった表現がピッタリ来ます。

内向性を加速させる「先輩」の存在

内向型の人はただでさえ人と会話をするのにあれこれと考えてしまいがちです。

今、話しかけても大丈夫かな?何を話しかければ良いだろうか?話しをして面白くない人だと思われたらどうしよう?などなどと考え込み、相手の人との空気感を話をする前から重くしてしまいます。

それは同学年の人であってもの話です。
そこに「先輩」という概念が突如現れたら?しかも先輩との付き合い方が全く分かっていなかった中学1年時の私だとしたら?

それはもう先輩相手には黙り込むの一択です。いや、一応話をしよう、しなくてはなどと思いはしますが、先ほどの対同級生相手でもあれこれ考えるのに加え、敬語ってどんな言葉使いをすれば良いのだろうか?先輩にこんな話をしたら失礼だろうか?何より先輩はすごく大人びて見えるし少し怖い…

といったことを考えはじめ、先輩を前にすると黙り込むの一択!という状況になります。

※ちなみに私の所属していた部活は最低限の礼儀などは求められましたが、先輩が言うことは絶対!といったことや3年生は神様!といったことはありませんでした。きっとそういった環境だったら黙り込むことも許されなかったかもしれませんね…

そんなこんなで先輩という存在が日常に入ってきたことで私の内向性はより加速していきました。

先輩二人に連れられて

そんな中学部活生活がスタートして1か月後の5月に私は先輩2人に連れられ大会の行き帰りをするという状況を迎えます。

私は中学時代、陸上部に所属していました。
陸上部は他の部活で言う練習試合のようなものがなく、基本的には学校で練習をし3か月に1回程度地域の陸上競技場で行われる中体連等の大会に出るといったサイクルでした。

そして私が初めて学校以外の場所に移動して部活動を行う機会が1年生の5月に訪れます。
どういった規模感(地区or市など)の大会だったかは忘れましたが、中体連主催の陸上大会が開催され、当日は現地集合・現地解散ということが顧問の先生より告げられました。

と、ここまでは特に問題はなかったんです。
内向的な私ではありますが同じ部活には小学校から仲の良かった友達もいたので一緒に陸上競技場に行く約束が出来れば特に何の問題もない、はずだったんです。

ところが顧問の先生からはありがたいこと!!にこんなお達しが。
「当日は家が近い先輩が1年生を会場まで連れて行き、帰りも一緒に帰るように」

!!!!!!!!!!!!

なんというありがた迷惑!マジか、それは無いだろう、え?え?えええ??

と私は一気にパニックへと陥っていきます。えええ?…。行きたくない…。

陸上の大会は1年生は1年生だけが出場する種目があり、地区や市レベルまでの大会であればそこそこみんな何かしらの競技に出場することができます。私もたしか100m走に出場したように記憶していますので、本来であれば初めての大会で心躍る、という場面だったかもしれません。

しかしもう私の心は綺麗鮮やかに、その日を迎えたくない、行きたくない、になっていました。

そして大会当日。大会の記憶は全くと言って良いほどありません。
かすかにある記憶は行きのバスで両替を先輩が手伝ってくれたこと。そう、何だかんだで私は家の近かったN先輩、T先輩の2人に連れられて大会へと向かったのでした。

どう乗り越えたかほとんど記憶がないが、最後に…

大会の記憶もありませんが、先輩2人との時間をどう乗り越えたのかも今となってはほとんど記憶がありません。(付き添っていただいておきながら乗り超えたというのは大変失礼ですが、私の当時の心境を表すと乗り超えたになります…)

付き添ってくださった先輩の1人N先輩は絵に描いたような外向的な性格のいわゆる陽キャな方でしたので、おそらく最初はあれこれと話しかけてくれたのだと思います。

ただ私の薄い反応に徐々に「まあこの子はとりあえず会場まで連れて行けば良いか」、みたいになって先輩2人で普通に会話をしながら会場に向かう、私はただただ後ろを付いて歩く、そんな構図だったろうと容易に!想像がつきます。

そんなこんなで大会当日の記憶はほとんどない私ですが、最後に今でも鮮明に覚えている出来事が起こります。

先輩2人と私は最寄りのバス停は同じでしたが、バスを下りた後は家が反対方向に分かれていました。
ですのでバス停でお別れをしたら別々の方向に歩き出すことになります。

実際、バス停で分かれ先輩2人と私は別々の方向に歩き出しました。
ようやく先輩との時間から解き放たれ解放感に浸り70mほど歩いた時です。

「バイバーーーーーーーイ!!!」 後ろから大きな声が聞こえます。

あまりにハッキリと聞こえる声に振り返ると陽キャなN先輩は大きく両手を振りながらもう一度
「バイバーーーーーーーイ!!!」と言っています。衝撃です…。

その時私は固まった…

それを目にした私、ただでさえ先輩を前にすると黙り込むの一択なのにこれはどうリアクションをして良いのか、もう頭の中はあれこれあれこれ考え、考え、考え… そして何も考えられなくなり固まってしまいました。もう30年以上前のことで、大会など当日の記憶はほとんど無いのにこの時の自分の心境は今でも鮮明に覚えています。

・先輩がバイバイと言っている、何か自分も言わないと
・え?でも先輩になんて言えば良いんだ?
 もちろんバイバイは失礼だし、敬語だと何て言うんだ?
・手を振ってくれているけど私が手を振るのは失礼だよな、どうすれば良いのだ?
・そもそもこの距離、大きな声を出さないと声が届かない、恥ずかしい

こんなことが一気に頭の中を駆け巡り、そのうちただただどうしようという思いだけになり、考えることも止めてしまい、そして私はその場に固まってしまったのでした。

そんな私を見てN先輩が一緒だったT先輩に
「あいつなんで何も言わないの?」といったことを言っているようでした。
※そりゃそうだよなと今は思います

T先輩は優しかったので
「聞こえてないんじゃない」と素敵なフォローをしてくれていたのを記憶しています。

その後のことはあまり記憶がありません。
おそらくあまりに動かない私にあきれて「じゃーねー!!」みたいな感じで先輩の方が動いてくれた(帰る方向に向かってくれた)ような気がしています。


今回のブログはいかがだったでしょうか?
改めて自分でこの出来事を振り返ってみるとハッキリ言って「失礼なやつ」だと思います。

内向型だからとかあるかもしれないけど、小声でもさようならと言う、ペコリと会釈だけはするなど何かしら出来るだろう!と過去の自分に言いたくもなります。

でも悪気がないから許されるとは思いませんが、内向型の人にはこういった相手の方へのリアクションがうまく出来ずに誤解を招いたり、そんな気はないけど相手に不快な思いをさせてしまったりという出来事は起こりがちなのではないでしょうか。

本ブログではそんな内向型の人が少しでも意図せず誤解を招いて人に不快な思いをさせてしまわないための内向型的社会での生き方、についても今後綴っていきたいと思います。

それでは今回はこの辺りで。
最後までお読みくださりありがとうございます。

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